ユイちゃんもそんな風に思っていたんだ。洸君が自分のせいだと思わせない為に、わざと冷たい言い方で突き放して、だけど、それが彼を傷つけたんじゃないかと悩んで。

「だから立花が全部話して謝ってくれた時……まぁ、その、嬉しかったっていうか……いや、先に謝るのは当然だと思ってたし、璃子が背中を押してくれたって聞いて、結果璃子のおかげだから、ありがと!それだけ!!」

 捲し立てるように言って、流れる水を止めると、手際よく食器たちを布巾で拭いていく。頬は真っ赤に紅潮して、私の方を見ないようにしているみたい。

「私なんか、ユイちゃんの友達で良いのかな」

 ぽつりと漏れた言葉。こんなにも優しい彼女と、自分なんかが友達で良いのか不安になって出た言葉だった。

「え……?」

 ユイちゃんが布巾を持つ手の動きを止めた。

「私も……その子たちと、きっと変わらないよ。こうして洸君が関わってくれるのは……」

「璃子」

 厳しくて、怒ったような声。顔を上げるとまっすぐな瞳と目が合った。

「璃子は私の大事な友達だよ。璃子は私のこと、友達だと思えない?」

 首を大きく横に振る。ちゃんと言葉でも伝えたかったけれど、溢れそうになる熱いものをこらえるので精一杯だった。