食後のデザートとして買ってきたアイスをみんなで食べた後、突如始まるゲーム大会。洸君と彰さんの熱戦が繰り広げられている間に、私とユイちゃんとで洗い物をする。

 わぁわぁ騒ぐ二人と、それを楽しげに見守る万里子さんを台所から眺めていると、まるで友達同士はしゃいでいるみたいでくすりと笑ったら、隣からもため息混じりの笑い声が聞こえた。

「立花が居るといつもこんな感じ。ほんと騒がしいんだから」

 そう言うユイちゃんの横顔はちっとも嫌そうじゃなくて、上がった口角が正直な気持ちなんだろうな。

 洸君とユイちゃんがこうして笑っているのは、二人の間に滞っていた壁がなくなったから……と思うのは独りよがりではないよね。

「ね、璃子」

「なに?」

 流しの水が出る音やテレビからの音で、私とユイちゃんの会話は二人にしか聞こえない。

「立花から聞いた?私があいつを避けるようになった理由」

 理由……。詳しくは聞かなかったけど、以前に洸君の色恋沙汰に関わって大変な思いをしていたと言っていたし、洸君もユイちゃんを傷つけたと話していたから、その事だと思っている……と言えば、ユイちゃんは悩むように黙って、それから私に目を向けて口を開いた。

「私、中学の時、虐められてたの」