ご飯を済ませ、今度はリッキー君の食事の時間だ。その間にトイレのシートを換えてやり、水飲みに水を足す。

 そして暫く、リッキー君の食事の様子を眺めて癒され、食べ終わった後におやつをねだるように甘えてくる彼に私の目尻は垂れっぱなし。

 ……そんな二人っきりの甘い時間も束の間、お母さんとお父さんが起き出してくる。

「おはよう、璃子、リッキーちゃん」

「相変わらず璃子にべったりだなぁ。いや、璃子がリッキーに首ったけなのか?」

 お母さんがまだ起ききっていない眠たげな様子で私からリッキー君を取り上げて、腕に抱きながらテーブルへと向かう。

 お父さんはその後ろをついていき、用意していたお茶碗にご飯とお味噌汁を注ぎ、お弁当に余った玉子焼きときんぴらごぼうを皿に乗せてテーブルに運ぶ。

 朝がめっぽう弱い母は座りながらも、また眠ってしまいそうだ。

 そりゃあ、リッキー君の温かさほど安心するものはない、とお母さんの膝の上でくつろぐ彼に浮気者め、とうらめしい視線を僅かに送りながら自分の部屋に戻る。

 さっさと着替えを済まし、今日も髪をきっちり乱れなく纏め、眼鏡をかけ直して、一応鏡の前で自身の姿を確認する。

 ……絶好調に地味で、最高に冴えない女子高生だ。