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放課後、日誌を書いて担任に届けた後、帰宅部の私はそのまま帰ろうと昇降口へ向かっていた。
職員室からは外の渡り廊下を通らないといけないが、そこはグラウンドと近く部活動の子が休憩していたり、荷物を置いていたりと通りにくい。
なるべく早く通り抜けようと意を決して、その数十メートルの人や物を避けて歩いていれば……
「あっ、危ない!!」
突如、聞こえた声に何気なく顔を上げれば、こちらに向かってくる球体。
それは私の頭の高さで、しかし咄嗟の事で体が硬直し、来る衝撃に目を瞑るしか出来ずにいた。
すると……
すぐ側に人の気配を感じて、いくら待っても体のどこにも衝撃が来ないのを疑問に思いつつ目を開けたら、私よりも背の高いジャージ姿の女子がミット片手に立っていた。
「危ないじゃん、こんなとこ歩いてたら」
え、私が悪いの?と困惑していると、彼女がこちらに振り返る。
高い位置にポニーテールされたストーレートの髪がさらさらと風に揺れる。
癖毛な私にとってすごく憧れる綺麗な髪に思わず見とれていると、彼女は訝しげな表情になった。
「……あんた、何年何組?」
「え、えっと、2年5組、ですけど」
放課後、日誌を書いて担任に届けた後、帰宅部の私はそのまま帰ろうと昇降口へ向かっていた。
職員室からは外の渡り廊下を通らないといけないが、そこはグラウンドと近く部活動の子が休憩していたり、荷物を置いていたりと通りにくい。
なるべく早く通り抜けようと意を決して、その数十メートルの人や物を避けて歩いていれば……
「あっ、危ない!!」
突如、聞こえた声に何気なく顔を上げれば、こちらに向かってくる球体。
それは私の頭の高さで、しかし咄嗟の事で体が硬直し、来る衝撃に目を瞑るしか出来ずにいた。
すると……
すぐ側に人の気配を感じて、いくら待っても体のどこにも衝撃が来ないのを疑問に思いつつ目を開けたら、私よりも背の高いジャージ姿の女子がミット片手に立っていた。
「危ないじゃん、こんなとこ歩いてたら」
え、私が悪いの?と困惑していると、彼女がこちらに振り返る。
高い位置にポニーテールされたストーレートの髪がさらさらと風に揺れる。
癖毛な私にとってすごく憧れる綺麗な髪に思わず見とれていると、彼女は訝しげな表情になった。
「……あんた、何年何組?」
「え、えっと、2年5組、ですけど」