万が一フラれたら仕事のし辛さ倍になっちゃうし。

あっ、でも美咲ちゃんにはこれだけは伝えておかないと。

「金曜日に二次会参加してたからわかってると思うけど、相手は片瀬さんじゃないから!安心してね。」

「えっ⁈なっ何でそこで片瀬さんが出てくるんですかっ。私は別に、片瀬さんじゃなければ良いなとか思ってないですから!」

片瀬さんじゃなければ良いなって思ってたんだなぁ。

「陽菜先輩、そのおじさん笑いやめた方が良いですよ!デートの相手の方にもしも見られたら、百年の恋も冷めちゃいますよ。」

「えっ、私そんなに酷い顔してるの?」

「一度、鏡で確認した方が良いです。」

そっ、そんなに酷いのか…。
課長には絶対に見せられないな。

美咲ちゃんの追求が無くなって、そのままいつもの楽しいランチに。

まだ課長の事を話せてないから、ディナーのお店は流石に聞けなかったけど。

美咲ちゃんは私の恋バナが気になるみたいだけど、美咲ちゃんと片瀬さんの行く末が私は気になるなぁ。

これだけ美咲の気持ちがダダ漏れなのに、何で片瀬さん気付かないんだろうなぁ。

あの人、仕事は出来るのに変なとこ天然だからかな。

ランチを終えて社内に戻って午後の業務スタート。

週明けって意外と仕事の量が多いんだよね。

隣の片瀬さんの席から、私だったら絶対に有り得ないっていう速度のタイピング音が聞こえてくる。