だけど、私は全部を見る前に閉じた。
この後私はお昼ご飯が待っているのだ。
こんなのを見た後じゃ、ご飯が食べられない。
これだけ見ると、何も知らない人は、彼がホラー作家を目指しているのではないかと思うだろう。
だけど彼はホラー小説なんて読んでいる所なんて見たことないし、ホラーものが好きだというわけではないし、ホラー作家を目指しているわけでもない。
これを実際にアイツに体験させようとしているのだろうから。
「……フフッ」
思わず笑みがこぼれた。
…本当に、ステキな人。
写真を消す、か。
きっとそれはフォルダに保存されているであろう、奥さんとかとの思い出の写真を消すと言う意味だろう。
大事な写真を消されたら、誰だって哀しむだろう。
精神的にも追い詰めるのだから、彼は本当に頭が良い。
悪知恵が働く、とでも言うのだろうか?
キイイイ―――……
門が開く音がして、自然と笑顔になった。