「でもこの場所、あんまり良い噂聞かねーな」
「そうなんですか?」
「ああ。
何でも前に、ここで立て続けて、当時中学生の女子が2人ほど死んでたって。
犯人は捕まってねーから、殺し屋の仕業じゃねーかって騒がれてる場所なんだよ」
「…そうなんですか」
驚いた顔をしているけど、内心は全く驚いていない。
そんなの、下調べの際に調べたし。
今丁度思いだしたところ。
「だから綺麗な場所なんだけど、来る人は少ねーみたいだぞ。
中岡さんにこの場所教えた人、変わってんな」
そりゃ作り話ですからね。
「んじゃ、どこか行くか?
案内してやるよ」
ところで、いつの間にこんな砕けた言い方になっているんだ?
…もしや、この短時間で、僕を信用したのか?
そんなにアッサリ信じたら、すぐ酷い目に合うよ?
…まぁ、現に合うんだけど、ネ。
「……ヴッ」
ポケットに仕舞っておいたスタンガンを、コイツへ当てる。
情けない声を出し、倒れこんだ。
僕は気を失っているコイツの足を両手で掴み、ズルズル引っ張った。