「おー、やっぱり綺麗だなぁ」

「良い場所ですね」





遥華港から見える海は、かなり綺麗だ。

かなり低い場所にあるので、波が高いとかかる恐れはあるものの。

少し身を乗り出して手を伸ばせば、水に触れてしまう。





とても綺麗で、夕日があればなぁと思うような場所だけど。

地元の人には、あまり良い印象は持たれていない。





僕も、コイツの死に場所に良い場所がないか調べている時に見つけたんだけど。

…ココ、過去に、2人の女性が死んでいた場所だったんだって。

犯人は今だ捕まっていないみたいだから、遥華市に数人いるのではないかと、都市伝説のように噂されている、殺し屋が殺したのではないかと言われている。

殺し屋は殺人を生業にお金を稼ぐ仕事だから。

誰が殺したのかわからない、未解決の殺人事件は、殺し屋の仕業ではないかと騒がれている。





…っと、余計な話をしてしまったな。

ここで事件があろうがなかろうが、僕の復讐計画には全く関係ないのだから。




ここで、再び死体が見つかって、犯人が見つからぬまま時効が過ぎてしまったら。

コイツを殺したのも、殺し屋の仕業だと騒がれるのだろうか?




…じゃあそれって、僕にとっては良いことずくめじゃないか。

犯人は僕だが、殺し屋が犯人だと警察が決定してしまえば、犯人は殺し屋だと世間には思われる。

僕の罪は、なかったことになるではないか。




かつて殺人事件のあった物騒な場所だから、人通りもないだろうってココに決めたけど。

そう考えてみれば、ココに決めて良かった。

…過去の僕に、感謝しなくちゃな。





まぁ、この復讐計画は、あの事件があった高校1年生の頃から念入りに計画してきたんだ。

僕や雪愛の元に、警察の目が来ないように。




失敗なんて、

許さない……。