高2の夏の私はもうほぼ何も覚えていない

亮太の事も薄っすらしか覚えていない

綾理と由美と亜有里と奈美の事を思い出すのも苦労するようになった

3年前に亮太と一緒に水族館に行った時に買ったキーホルダーなんて記憶に全くない

私はもう高校を中退するという方向になった

それを綾理に話した時に綾理から聞いた言葉で私は泣いてしまった

「美優奈ちゃん、あのな実は前から有中から相談を受けててん それで、美優奈ちゃんに謝る方法を教えてって何回も言われてん だけど、綾理は何も言ってあげられなくて、有中が言ってたのは、(俺は美優奈の事を支えるって言ったのに支える事が出来なくて去年にあんな言い合いをしてから、全く会話をしなくなってしまってん… 俺がちゃんとわかってあげてたらあんな事にならんでよかったのに…) って泣きそうになりながら、綾理に言ってきてん その時に綾理も泣きそうになったよ それだけ美優奈ちゃんの事を思ってくれてるねんやって思ったから」

と聞いた時に亮太の事をやっと思い出せた

だから、その場で亮太に電話した

「もしもし、有中君?」

「美優奈か?」

「そうやで 今まで本当にごめんね 私何もわかってなかった」

「そんな事気にしやんでいいよ 俺が悪かったから」

「そんな事ないよ 有中君は悪くない」

「俺が悪かってん」

こんなやりとりをしていると自然と2人とも泣きそうな声になっていた