「何だよ」


「………」



やけに響いて聞こえる煌の声。


それぐらい室内は静かで。


聞こえるのは、自分の心音と二人の呼吸だけ。


激しく波打つ心音に焦りを感じて息が詰まる。



……何から話したらいいんだっけ?



あんなに心の中で練習したのに、いざとなったら何の役にも立たない。




「オイ、何だよ?」



何も言わないあたしに痺れを切らせた煌が、再度そう問いかけてきた。


それに煽られて、「あたし…」と呟くけれど、その先がなかなか出てきてくれない。



……どうしよう。頭の中が真っ白だ。




「その続きは何だよ」



早く言え、と急かす煌にゆっくりと口が開いていく。




「あたし………」


「…………」







「鳳皇、抜ける」