生きている人間にもできないことをやってのける人形に太刀打ちなんかできるのだろうか?
いろいろ考えてることが蒼白の顔面に押し出ていたらしい。
雑賀クンが励ますようにフォローした。
「でも、大丈夫です。このタイプは限定的にしか力を使えませんから」
そのひと言で、ぱちくりと瞬きをしてしまう。
なるほど。そういうことか。
彼のいわんとしたことは理解できた。
「恭介ぇ。もうちょっとわかりやすく説明してくれよぉ」
さっきまで黙っていた桜沢·弟が、ようやく口を開いた。
たぶん、雑賀クンの仮説もよくわかってない。
こいつはただの警備員だから、オカルトに関する知識もない。
見るからに頭脳派というより肉体労働派っぽいし。
元から考えるのは苦手なんじゃないかな。
それは雑賀クンも知っているらしく、補足説明を試みる。
「要は、目を離さなければいいんだよ」
「へ?」
ますますわけのわからない将生に、助け舟を出してやる。