いつかやるんじゃないかと思った、過ち。


 とうとう来ちゃった的な。

 ご愁傷様と自分で自分に言葉を贈るしかない。


 がっくりと落ち込みはしなかった。
 強がりというより、単に覚えてないせいだろう。
 はっきりとした実感がないだけ、絶望せずにすんでる。



「ねぇ、悠真ー。シャワー、いい?」


 部屋の主に声をかけても返事がない。
 さっきから水を出してるみたいだから、いるはずだ。

 ベッドから降りて歩くと、若干ふらついた。
 腰や足に力が入らない。

 どうやら、ただ脱がされておかずにされたわけてじゃなさそう。
 回数的にも、寝ぼけて間違えたってわけでもないな。


 ひょっこりバスルームを覗けば、洗面台に佇む悠真がいた。
 上半身は何も身につけておらず、水道水は出しっぱなし。

 がっくりと肩を落として、うなだれてる。
 その後ろ姿は悲愴感が漂っていた。後悔も混じってる?


 なんか、張り切りすぎて失敗した童貞みたい。


 まぁ、そんなことはひたすらどうでもいいが。



「ねぇ、悠真ってば。シャワー、貸してよ」

「!」


 声をかけると背中がびくりと震え、勢いよく振り返った。