じっと耐える最中、彼がおずおずと口を開いた。
「しばらく離れるけど、俺たち……」
もう、どうでもよかった。
第一研究所へ行けば、出世コースから外れるのは目に見えてる。
探るような視線を送ってくる男なんて、何の価値もない。
「ごめんなさい。私は、ついていけない」
さっと青ざめた相手の表情など眼中にない。
気にも留めない。
すでに頭の大半を占めているのは、別のこと。
井上 真矢ぁぁぁぁッ。
いいわ。
あんたの宣戦布告は、しっかり受け取ってあげる。
今に見てなさい。
この私にケンカを売ったこと、死ぬほど後悔させてあげるわッ!