互いのプライドを刺激し合っても互いに噛みつき合えば、大抵は元の鞘に収まる。
 それが腐れ縁だからなのか、男なのかは知らないけど(というか、心底どうでもいい)。


 なので、暇つぶしにちょっと遊んでみよう。


「玲奈」


 笑みを浮かべて、親指を立てた。




 ヤるなら、今だッ!




 という、意味を込めたのだが。




「え……あ、あの、遥香さん。それは、どういう意味ですか……?」



 戸惑う玲奈には通じてない。

 義妹になるかもしれない娘の薄い反応に、がっくりと肩を落とす。

 二十五も過ぎて、この反応まずくない?
 この娘の性格上、一線越えてもカマトトぶってるのかもしんないけどさ。


 気になるから、素朴な疑問をぶつけてみる。


「っていうか、あんたたちどこまでいったの? お泊まりデートもしたんだし、そういうことがあったって認識してもいいのよね?」

「え、えぇぇぇッ?」

「一緒にお風呂入った? あいつ、がっついて痛くさせてないでしょうね?」

「お……ッ、お風呂なんて、そんな……し、しかも、あれはデートじゃなくてッ」