「うふふふ。たかが人形の分際で、時間軸さえものともしないとは。
これは、本当に掘り出し物だわ。是非とも、全身くまなく調べて、呪いのエネルギーを取り出してやるわよ。ええ。最後の一滴まで搾り取る感じで!」
「……なんで、そこまでこだわってんのー?」
びびりながら呟くも、遥香は気にしてない。
彼女の専門は、霊素エネルギーの転化·開発だ。
研究者としての血が騒いだんだろうけど、別に呪われてるアイテムを研究対象としなくても。
そう言外に含ませたら、キッと睨みつけられた。
「わかってないわね、真矢。
死んでからも他人を呪うなんて、時間と労力とエネルギーの無駄! それほど強い力があるなら、再生や浄化に活用しなくてどうすんの! 恨み事を残した人だって、死んだ後まで悪口言われたかないでしょ! 恨んでまで殺したかった相手を助けて感謝された方が、人としての度量で勝つってもんよ! 生きてる周囲の人たちに見直してもらって、永遠に語り継がれるエンディングと比べてみなさいよ! 私は、世界幸福の使者となるのよ!」
うえぇぇ~ッ。
立派にイッちゃってらぁな。