遥香の声が遠くに聞こえる。
 横顔だったはずの雑賀クンと目が合う。

 すごく驚いた表情。



 あッ、まずい。
 胸、見られちゃったかも。

 なんか、イロイロ終わったな。



「急いで、電極つけてッ! まだ間に合うわッ!」


「井上さんッ、しっかりしてください!」




 意識が、薄れてく。

 猛烈な眠気で、まぶたが重い。


 何故だろうと考える暇もなく。




「なに、玲奈ッ。なんも見えないんだけどッ」

「将生くんは、見ちゃ駄目ッ! 聞いちゃ駄目ッ!」




「ハルちゃん。何が、起きたのッ?」



「真矢のヤツ、急に取り込まれちゃったみたいで……」


「起きてください! 井上さんッ!」





 そこで、声は途切れた。