そっぽを向いたままの雑賀クンが困った口調で抗議する。


 うーん。さすがに、それはちょっと。
 見られたり、触られたら私だって困ります。


 ものすごく当たり前なことだと思うんですが、遥香サンは役立たずとばかりに唇を尖らせた。


「なによ。見るくらい、減るもんじゃなし」


 あぁ、そうさ。
 見られても減るもんじゃないさ。


 だが、おまえのじゃないだろ。
 他人の胸を公開すんな。


「あ、もしかして見れない焦れったさがいいの? あんた」


 はぁ?
 何を言い出すんだと、雑賀クンと互いに眉をひそめた時だった。

 遥香が無造作にブラを押し上げ、開放されて揺れた双丘を鷲掴みにする。


「わッ! や……なに、すんのッ。冷たいー! く、くすぐったい……ッ!」

「こら、暴れるな。騒ぐなッ」

 薬品を塗りたくる手が胸を這い回る。

 冷たいやら、くすぐったいやら、恥ずかしいやら。
 とにかく一秒でも早く逃れたい刺激に身をくねらせても、悪友の魔の手がぐいぐいと揉み込んでくる。


「いやぁぁぁッ!」


 塗りつけられた薬品がぐちゅぐちゅと音を立てる。