「なッ!?」


 遥香がブラウスのボタンを外している。

 当然、私のを、である。

「電極つなげるから、ちょっと薬品を塗るわよ……チッ。無駄にいい乳してやがって」

「ちょ、ちょっと待ってッ!! 待てってばッ!!」


 遠慮なしにプチプチと外され、肌が外気に触れる。
 いや、最大の問題は至近距離にいるでしょッ!


 頬に熱が集中する。
 文句を言いたいのに、言葉が出てこない。

 遥香の手を掴んで止めさせようとしても無理。
 左右の手首をガッチリ押さえられてるから。

 頭上には、そっぽを向いた犯人が申し訳なさそうな声で謝罪してきた。


「……すみません。見てませんから」


 えぇーッ?
 これって、どんな羞恥プレイ?


 恥ずかしさと驚きと混乱。
 頭を殴られたような衝撃に、抵抗なんて忘れた。


 ボケッとしてる内に遥香はボタンを全て外し、ブラウスをぐいと広げた。
 コンプレッサーに繋いだ電極を引っ張ってきたり、薬品を手に塗りながら、恐ろしい指示を助手に出す。


「雑賀。邪魔だからブラ外して」

「……桜沢さん。それを僕がやったら犯罪です」