その瞬間、遥香の瞳がカッと見開いた。
 勝利を確信したかのように、ほほほッと高笑いする。


「よろしくてよ、よろしくてよッ! お義姉さんに任せなさい!」



 うわぁ……。
 めちゃめちゃ、いい笑顔。


 よっぽど嬉しいらしい遥香は、しばらく哄笑していた。お手軽なやっちゃな。

 ひとしきり勝利の余韻に浸った後(まだ何にも勝ってないんだけど)、手に金属バットを握りしめた。

 勢いよく、それをこちらに突きつけてくる。


「将生、悠真ッ! あんたたち、脱ぎなさい!」


 うん。
 ご指名を受けた本人は当然として。


 その場にいた全員が固まった。