押し潰されそうな不安をごまかすように、がしがしと頭を掻いた。

 こいつらが関わっているとなると、めちゃくちゃ厄介だ。
 怨念が強すぎて、たぶん誰も除霊なんかできない。

 かといって、この可能性を無視することもできなかった。

 オカルトの世界では、あらゆる要素を想定しないと死に直結する。失敗を回避する方法なんてない。
 事実を受け入れ、自身の得意分野で切り抜けるしかないのだ。


 深い鼻息を吐いて、結論を導き出す。


「ここからは私の推測なんだけど……今、起きてることって、人形の因縁と七という数で、呪力が増幅したんじゃないかな」


 これまで起きたこと。
 雑賀クンの仮説とセクター長の情報。
 事件の記事や玲奈の意見。


 見聞きしたことを総合して鑑みるに、いくつかの条件が重なったことが事態を悪化させていたとする。

 将生が封印を解いたこと。
 雛人形が力を持った経緯。
 この場にいる七人。


 短期間で雛人形が攻撃的になった理由としては、一応の筋は通った。


 すると、悠真クンが再び悪態をつく。