私は悩んだ。
 むやみに驚かせない方がいいんだろうけど、彼女の指摘はかなり恐ろしい。
 ひとりで抱えきれない。

「……欧米あたりじゃ【七】は完全数なの。始まりとか区切りとかの意味合いが強い、特別な力を持ってる数字とされてるけど、日本はどちらかというと忌み嫌われたり、縁起のいい八と九の前に使われる印象があるわね」


 と、いうか東西ともに【七】を特別な数と考えてる。

 一週間は七日だし、ひと月を約二十八日と計算する。
 旧約聖書でも、天地創造は六日目で完成(つまり、七日目は始まりの日になる)。

 仏教でも、四十九日の法要がある。あれは、死後七日ごとに閻魔大王の裁きを受けて、その後の魂の行方を決めるためだ。

 古代日本じゃ、完全数に近いとされて忌み嫌れてたらしいけど。
 その後に、異大陸から流れてきた文化で曖昧になったと思われる。

 九と八は縁起がいいけど、使うには恐れおおい。だから、その次の七を使ったって感じ。


 現代人の私たちには、あまりピントこないかもしれない。
 でも、歴史を紐解くと人類は数と共に生きてきた。