「千葉くんに
萌の気持ちはわかんないよ!!」



思わず声を張り上げた。


こんなこと駄目だってわかってるのに、
引き金を引いてしまったら
弾丸は戻ってはこない。


「千葉くんは……いいじゃんっ
顔もかっこよくて
ノリがよくて………
人気者で、勘も鋭くて…!
恵まれてんじゃない!」


駄目、とまれ。


「萌は違うんだよ………
千葉くんみたいに完璧じゃないし
クラスメイトに……
人間扱いもされてないんだよ!!」


とまれ、萌!


「萌は………何したって無駄なんだよ
諦めるしか……ないんだよ……っ」


もし萌が"普通"なら、
みんなの中で笑えていたのかもしれない。
でも、そんなの叶わない願いだから
もう諦めるしかない。