「──別に、 千葉くんの彼女でもない癖に」 糸のようにするりと零れた言葉。 あまりの衝撃に、花梨でさえ 一瞬固まった。 「見苦しいよ、そうゆうの」 自分でも驚く。 言い返したのは初めてだ。 「……あん……た、だって……! 王子の彼女じゃないだろ!!」 「そうよ。だから、花梨みたいに 図々しいこと言ってないでしょ」 わなわなと震え上がる花梨。 その顔は悔しさから酷く歪んでいた。 「見苦しいのはあんたのその脚よ!!」