「ほんとにごめん、スマホは弁償するよ」

水没した私の相棒を見せる彼

いつの間に拾ってくれたんだろう

「あ、いえ、そこまでしてもらうつもりは……」

流石に弁償なんてしてもらうつもりはない

今時、高校生誰でも持っているが、それを買うのは高校生にとっては簡単なことではない

今回ばかりは、よそ見してた私も悪いわけであって

「あの、ほんとにスマホは大丈夫なんで……」

「じゃあさ」

遮るように聞こえた彼の声

「その服くらいは弁償させて?」