-陽太side-

あー手汗やばくないかな俺。
普段通りにしようと思っても
なぜか変に意識しちゃうんだよね〜

びっくりしちゃわないように
人肌程度に手をこすり合わせて
あらかじめ温めておく。

陽) 「 いっかちゃんごめんね
ちょっとお腹さわらせてよ?
初めは痛くないところからね〜」

こんなもんで良い?
結構優しく声かけれたと
俺なりには納得してる。

抑えてる時に左下あたりだったから
そこら辺りを最後に触るとして
まずは右下腹あたりからかな。

陽) 「 痛くない〜? 」
広 ) 「 ふはっ、
んな怖がんなよ(笑)
大丈夫だからな? 」

あーごめん、もう今の診察ですら
半泣きなのね。
気づくの遅過ぎたか。
広斗も案外優しいとこあんじゃん、
頭撫でてやってるし。
キャラでもねーな(笑)

そんなことより、
ごめんよいっかちゃんすぐ済ますから。

陽) 「 じゃあちょっと左触るね〜」

お?そう言った瞬間に
お腹に力が入るのが分かる。
やっぱり左下が痛いのか。

乙 ) 「 ……… だめ。 」
広) 「 ん? だめじゃねーだろ。
ほらちゃんと手退けて 」

そんなに痛いのかな?
また手で覆い隠したけど
こんなのしてちゃ埒あかないし。

陽) 「 広斗ちょっと
手抑えてて貰って良い?
ごめんよいっかちゃん
10秒の我慢ね? 」

広) 「 おう、 はい頑張れよ〜 」

広斗がいっかちゃんの頭側から
しっかり腕を横で抑えたのを見計らって


乙 ) 「 ヒック … やだなのに …っ 」

いやいや泣かれてもね、
あ、じゃあやめましょうか。
とは言えないんだよ。
心痛むけど素早く済ますのが
いっかちゃんのためだな。

左下腹部を最初は浅く、
それからだんだん深く抑えていく。

ん?便が詰まってんのかな?
陽) 「 ぐりぐりやだけど
ちょっとだけごめんよ〜 」
声掛けしてやれば
深く腸内ある塊を
触知していく。

体もぞもぞさせて
逃れようとするけど、
広斗いるからそれは無駄な抵抗っすよ。

陽) 「 んー、便秘で間違いないと
思うんだけど。 」
広 ) 「 何迷ってんの、
俺に触診させて 」

広斗に確認してもらい
便秘という診断が出たところで
便秘と診断付ける。

こんなにお腹固いのに
浣腸がそもそも効くのか?って
悩んでいたところで
広斗から衝撃の一言が。

広 ) 「 これ、摘便した方が
早いんじゃね? 」