春の匂い、新しい制服、新しい生活、新しく始まる学校。
4月わそんな期待や楽しみでいっぱいなんだろうけど、
あたしにわ全く関係ない。
高校に入学してもあたしの世界わモノクロの世界の中。
高校だって別にどこだってよかったし、
友達も作る気もない。
ただ一人で気楽に生活していく。

中学の時みたいに。







『月永(つきな)、ほら、時間よ。遅刻しちゃうわよ?入学式早々。』

ドアも開けずに聞こえてきたのわお母さんの声。
あたしが制服に着替えていたことを見ていたかのように、察する。

もうこんな時間。

「うん、いま下に行く。」



今日も変わらないいつもの風景なのに。
高校生になったのが実感湧かないんぢゃなくて、また憂鬱な時間がくるのに、
ウンザリしてるだけ。


そんなことを考えているあたしにわ御構い無しにお母さんわ、新しい学校のことだの、友達だの、さも自分が行くのか?っていう勢いで聞いてくる。

「…ごちそうさま。いってきます。」


うるさい。
あたしの気持ちも
わからないくせに。