「将来君だってただ澄子ちゃんを理由に、女の人がいる飲み会の席を断れないだろ」

「・・・」


「今回のことは、俺の仕事が忙しかったりして清乃とすれ違ってしまっただけ。清乃は俺が浮気しているなんて本当は思ってないんだよ」

・・・でもお姉ちゃんは泣いていたの。

将君の事を想って泣いていたの。


「澄ちゃん。清乃は泣いていた?」

「・・・うん。いっぱいいっぱい泣いてたよ」

私まで悲しくなっちゃうくらい、沢山泣いてたよ。


「そっか。でもね、」

そう言いかけたところで思わぬ出現に私も将君も言葉を失った。


「えっえぇ?お姉ちゃん!?」


「外から澄子たちの姿が見えたの」

猛はしれっとした顔をしている。


「猛君が、今日将に会いに行くって言うから・・・。待ち合わせとか聞いちゃった」


そう言って将君の隣に座った。


「将、ごめん。私本当は別に疑っている訳じゃなかったの」


将君に謝ったお姉ちゃんの顔は、すっきりと凛としていた。


「浮気・・・とか本当は別に思ってなかったの。猛君や澄子が心配してくれて、我に返った」


「でもっお姉ちゃんっ泣いてたじゃん!」

浮気かもって、悲しそうに、苦しそうに。

「澄子、違うの。私が泣いてたのはね・・・将に甘えたいだけだったの」

・・・??

「会えないのが寂しくて、それを分って欲しかったの。でも寂しいなんて言うのが悔しくて、浮気だって騒いじゃったの」


私はよく分からない。


実際猛が同じ状況だったら・・・元カノの存在にやっぱり嫉妬しちゃうと思う。


なんでそんな飲み会に行くのって泣いてしまう。