俺がポツリと言葉を発すると、澄子が手を重ねてきた。
手のひらから“ゆっくりでいいからね”そんな言葉が伝わってくる。
それに答えるように微笑むと、澄子も安心したように微笑む。
この笑顔に、この手の平の温もりに、何度安心感を得ただろう。
「今日、お前が大学の教室来た時・・・」
本当はこの言葉の続きなんか言いたくない。
はっきり言ってカッコ悪ぃし、しゃくだし。
でも目の前いるこいつに、そうゆうとこ見せてもいいかなって思えた。
知って欲しい。俺の気持ちを知ってほしいって思ったんだ。
「嬉しかった。お前が来てくれて嬉しかったんだ」