「澄子、朝は言いすぎた。ごめんな」


頭が猛の胸におさまる。


「不安にさせたな。悪い」


フルフルと大きく首を振る。


「気づいたの。私ね、猛に甘えて自分の気持ちに気付いてなかったの」


猛に常に直接伝えなきゃいけない気持ち。


その場その場で生まれる新しい気持ち。


“好き”って一言でもその気持ちの形は無限に違くて、同じものなんてない。


いつも新しい“愛しさ”が生まれるってこと。


「猛に言われてやっと気付いた」


「いや、俺だって全然口に出さねーし・・・」

「だから!私が言わなきゃダメなの!猛の分も、私が」


私達は二人で一人だから。


「ホントは今日だって二人きりでいたいよ・・・明日も明後日もずっと二人でいたい」


ギュッと猛の首に手を回す。


「二人が、いい」


「・・・」


「くっついてたいよ」



「・・・いく?」


熱ぽい猛の声がやけな腰に響いた。