っと駆け出したものの、正直・・・迷子。


「ちゃんと賢くんに聞くんだった・・・」


猛の自習してるところにサプライズで行きたかったけど、しょうがない。


「電話しよっと」


一応喧嘩中だけど出てくれるかな。


携帯を開き、再ダイヤルで猛に電話するとワンコールで出てくれた。


「どした?」


優しい猛の口調がどこか近くに感じる。

「猛、今・・・」


っとそこで偶然にも猛の姿を発見。


携帯を耳に当てながら教科書をパラパラめくっている。


足を大きめに開いて机に向かう猛の姿はやっぱり格好いい。


「澄子?」


言葉につまる私にもう一度優しく問い掛ける。


そんな姿が愛しくて、猛の背中目掛けて飛びこんだ。