「あれ?澄ちゃん?」


こんな大勢の中で会えるなんて!

なんてラッキーな偶然!


「賢くん!」


「あははー相変わらず元気〜」


久しぶりの再会に思わず大きな声が出てしまった。


「最近全然来ないんだもんっ」


同棲してから、最初のうちは何度か来てくれたのに最近じゃパッタリ。


「いやいや、二人の邪魔はできないしね?」


「も〜!いいのに!」


「・・・で?お目当ては猛でしょ?」


ニヤリと笑われてしまう。


「そう、なの!会いたくなっちゃって」


っといいながら、なんだかだんだん自信なくなっちゃった。


やっぱり大学まで来るなんて迷惑だったかな・・・


「ふっ、猛すっげー喜ぶよ」


「え?」


賢くんが優しく笑うから、一瞬キョトンとしてしまう。


「澄ちゃんはそうゆうパワフルさが、1番の魅力なんだからね」


「・・・」


やっぱり、賢くんは猛の親友だ。

言葉にしなくても全部猛のこと理解してくれてる。


「だよね?私もね、ずっと忘れてたの。猛の欠点」


猛の欠点は感情を出さないところ。


「でしょ?だから澄ちゃんがいないとダメなんだよ」


私の長所は感情豊なところ。


「賢くん!猛に会いたい!」


「行っておいで。あの教室で自習中だからさ」


その言葉を聞き終わらないうちに駆け出していた。