一人とぼとぼ歩きながら考える。

猛が言った言葉を理解することができない。


私はいつだって猛を好きだし、猛だってそれを分かってるはず。


私が猛を好きなんて、誰が見たって一目瞭然なはず。


「うーん」


昔から猛を理解するのは難しかった。

それは猛が無口だったからだ。


やっと少し感情を表に出すようになったら、今度は猛の言葉が理解できない。


「も〜〜!訳わかんない!」


"俺ばっかで疲れる"



いつもいつも猛に振り回されてるのは私だっつーの!


必死で追いかけてるのだって私だっつーの!


「怒った・・・怒った!!」


バン!っと地面を蹴りあげ、私は自分の大学とは正反対の道を歩き出した。