「…」
無言のまま、康介は…。
優の手を握った。

優も握りかえす…。

明日の今頃は 飛行機の中だ。


「…優…」
「ん?」

「怒鳴って、悪かった…」

「私…多分ほんとにしばらく帰らないから…。あんたの気持ちにズケズケ入ったのは、時間がないから…ごめんね。余計なお世話だったね」


康介は、歩きを止めた。

「違うんだ。あぁ…なんてゆうか…頭が回らない。整理しねーと…」

康介は、優を少しその場に待たせる。

コンビニでコーヒーと水を買って来た。

優に 水をわたす。

路肩の花壇に 腰をかけると 彼は話し始めた。

「さっき2人にあんな言葉を言わせてる一番の原因は、俺なんだ…。愛恵は俺に期待させるような態度は取ったことはない。お前が言うように…俺のほうが、勝手に想ってた時もあったかもしれない…」

「私からしたら、ずっとそう見えてたよ…」

「…。違うといっても、信じて貰えネンだろーな」

「…わからない…」

「オマエは違うと思ってた。俺の勝手な都合よしの考えだ…」


「…信じたかった…」

「…もう無理か?…」

優の動きが止まる。

「どうゆう意味?」

「やり直さないか…?」
優は、笑いながら
「頭おかしくなった?」と 康介の頭を触る。

彼は優の手を下ろす。

「本気だ…。オマエが嫌じゃないなら。日本ででもいいし、俺もそっち行ってもいいと思ってる」

「そんな大事なこと…きめちゃっていいの?良く考えて…言ってるの?」

「俺もさすがに。勢いだけで決断出来るほど若くないよ…」

「明日、行くしかないのに…そんなこと…今…言わないでょ…」


2人は、そのまま あるきながら 診療所まで 帰った。


明日には、彼女は 出発なのだ…