8時30過ぎ ジョーだけ先に 店を出る。

「ドクターご馳走さま!優さんもサヨウナラ。気をつけて明日」

ジョーを 送りに愛恵も席をたつ。

「いいよ。ゆっくりして」
ジョーは、愛恵を座らせようとしたが
「トイレもあるから」

2人で一度 退室した。

個室は2階だ。
1階へ戻る階段のところで
「仕事頑張ってね」
「うん。」

ジョーは周りを見渡す。誰もいないのを確認した。

愛恵の肩に手を置くと、首にキスした。

「行ってキマス」

愛恵が、部屋にもどると 2人は、おかえり と ニヤニヤした顔で、愛恵を見た。


「愛恵さんさー。もう一つ聞いても良い?」

優も康介も 酔いがまわっているようだった。

「なに?」

「彼、僚介さんににてるよね」


康介は止めろよと 優を つつく。

「…似てるとは思う。でも中身は違う…」

「彼は僚介さんのこと知ってるの?」


「知らない。話すつもりだけど…」


「愛恵さん…わたしさっきから失礼なことたくさん聞いてるのわかってる…ごめんなさい」

優はつづけた。

「…康介を、ちゃんとふってあげてほしい…」

シーンとした空気が漂う。


誰が この 沈黙を破るか…。


「…私は…今も、これからもジョーが必要…。優さんが、求める答えをいえているか、わからないけど…。康介もやっぱり好きよ。ずっと過ごして来た…。でもそれは、恋愛感情じゃない…」

もう いいよ と康介が言う。

「良くない。と思うよ…。康介も早くスッキリさせなきゃ…。あたしはあんたを見ているの、辛い…」

「ふざけんな。なんでオマエにそこまで言われなきゃならねーの?」

康介は 愛恵にも 優にも もしかしたら 言わせなくていいセリフをいわせているのは 自分じゃないのか…


「わかった…」

優は 涙を堪えていた…。
そしてソノママ 部屋を勢いよくでていく。


動かない。いや 動けないでいる彼に 愛恵は

「康介っっ。早く追いかけてっ」