「なにすればいい?」

「あー、なにもしなくていいわ。何がどこにあるかわからないでしょ?」
母は、昔から、こんな感じ。

「おかーさん準備するから、もっていって」

「はーい」

「ちょっと、愛恵、おかあさん英語わからないわよー?」

「大丈夫よ。彼、日本語できるから」



コーヒーと、お茶菓子。

「はじめまして、こんにちわ。ジョーです。宜しくお願いします」

「あらー。日本語上手ねー。勉強したの?」

母の問いに、

「勉強はしていないけれど、お母さんが日本人でした。だから、少しは、わかる」

「そう。今回は2人とも大変だったわね」

「ご迷惑を、かけたすみません」

ジョーは、頭を下げて謝る。

「おかあさん、日本は、どうやって結婚をしますか?」

愛恵は、びっくりして、食べていたクッキーを詰まらせた。

「なに?ジョー?どうしたの?」

「実家に、来るのは、大切な事だって、言ってった」

「誰が?」

ジョーの交友関係などそんなに広くない。

「ドクター」

やっぱり…

「ハハハ。あなた、面白いわね~」

母も笑っていた。

「ボク、愛恵さんと、結婚したいです」

「ジョー、もういいからっ」

「よくないよ。こんな騒ぎになって、…お母さんも、お父さんも怒ってるでしょ?」

母は、ジョーに

「ジョーで、いいか。ねぇ、ジョー、私たちは怒ってはいないの。ただ、愛恵は心配よ。いくつになっても、私たちからしたら、子供だから。アナタのパパもママも同じだと思う。親は、子供の幸せをいつも願ってるの。だから、怒ってはいないから」

母は、ゆっくり、ジョーにわかるようなスピードで話した。

「ボクには、もう家族がいないけど、ソレはわかります」


ジョーの事情を愛恵は母に、話す。

母は、ごめんね、とジョーに話す。

そして、

「お母さんは、賛成だなぁ。」