そう思ったら、俺は黙っていられなかった。


「悔しいって嘆いていたって、何にも変わらないだろ!!
強くなろうよ、俺たちも。
逆境を跳ね返せるほど。
逆境をバネにして、輝けるように頑張ろうよ。詩月さんみたいに」


――「頑張った分は、全て自分のものだ。形にならなくてもムダにはならない」

ふと、詩月さんの声が聞こえた気がして、俺は懸命に訴えていた。


「コンサートのアンコールに『Jupiter』を弾くって決めたじゃないか。俺たちは、嘆いてる場合じゃない。自分たちがやるべきことをしようよ」


――諦めたくない。諦めるなんてできない

俺は心の中で繰り返していた。


「コンサートの中止なんて考えずに、今は頑張っろうよ。Xceon(エクシオン)は俺たち3人なんだって、思い切り言えるように」


――負けたくない。負けるわけにはいかない


俺は心の中で、繰り返し叫んでいた。