「詩月さんって存外、即決タイプ? 白黒はっきりしなきゃキライな人? 見かけによらず熱い性格なんだね。 胸をはだけた画像も惚れ惚れしちゃったよ~」

俺は周桜さんの言葉が嬉しいくせに、わざとふざけてみせる。


――頑固オヤジは嫌いではないし、七夕には弾きたい曲がある


詩月さんの言ってる意味がよくわからない。


「それって、郁子さんへの告白!?」

俺は周桜さんをからかって、ニヤついて訊ねる。


――違う、緒方はライバルだ


詩月さんはキッパリ否定する。


「それに、緒方には安坂さんがいる」

詩月さんの声のトーン、何故か沈んだような気がした。


「何だ、残念だな~」


――チャラいな。危機感はないのか?
ヘラヘラしている場合か


ツーツーツーツと電話が鳴る。


「あっ! 切られた……」


「お前がしょーもないこと言うから、切れらてしもたんや」