「母さん、醤油ラーメンと味噌ラーメン、どっちがいいと思う!?」
翠に連れられて輪の中に入った母さんに一番に声をかけたのは、慶だ。
ほらな、思った通り。
慶は翠がすることには絶対に反抗しない。
翠が母さんを受け入れるなら、自分も受け入れる。
そういう奴だから。
「じゃあ、どっちも食べる?お母さんと分けて食べればどっちも食べられるよ」
「それいい!母さんナイス!」
慶の嬉しそうな顔を見て、お袋も笑顔になった。
よかった。
何とかなりそうだな。
他のやつも、すぐに受け入れるだろうし。
問題は…。
俺はもうすでにラーメンを食べ始めていたアイドルの双子を見た。
黙々と無言で食べ続ける二人は、まるでお袋が視界に入らないようにしているかのようだ。
やべぇよな〜、このままじゃ…。
何とか仲を取り持ちたいけど。