しばらくして、階段を降りる音が聞こえた。

「夏芽ー?なにしてんの?」

玄関に座り込む私に近づく公生。

「熱あんの?」

公生の手が私の額に伸びた。

「ん?熱はねーな。」

公生の手が触れることなんて何度もあったのに、今は熱くてドキドキする。

「行くぞ」

公生に手を引かれ家を出た。

繋いだ手が熱い。


隣に立つ公生。

中学に入ってから伸びた身長。
昔は私より低かったくせに。

茶色のくせっ毛の髪。

程よくついた筋肉。

ゴツゴツした手。


私は繋いだ手に力を込めた。