私は独りで戦った
私は独りで心を慰めた
私は独りで泣いた
私はひねくれたと言われた
私と同じく戦っていた子は仲間がいた
辛くても乗り越えて、自分の気持ちを言える
私は臆病に慎重になった
それで褒められることもある
けど、守ってくれなかった人々に
『暗い』
『ひねくれた』
『昔は活発だったのに』
そう言われたら心がガラガラと崩れていく
私が悪いの?
守ってくれないで、助けを求めても、
【大丈夫、大丈夫】
【構ってほしいだけだ】
【がんばれ】
【お前なら大丈夫】
そんな言葉しか、上っ面の言葉しか掛けなかった人々が私を悪者扱いする
英雄は独りで戦った
英雄は独りで人々を守った
英雄は独りで傷ついた
けれど、英雄を讃える人々はいない
歓声のかわりに石を
賞賛のかわりに罵倒を
英雄は傷つきボロボロなのに人々の反応はこれだ
英雄が魔王に転じたとしたら誰のせいなのだろう