蓮がなにかを差し出してきた。


「……これ、優月が欲しがってた本。あと、帰りにクレープおごるから。それで許してくれねぇ?」


しょぼんとしながら、駄目ですか…?という顔でこちらを見てくる。


私って、なんだかんだ言って蓮には弱いんだよね…。


「……そういうことなら許してやらなくもない。」


向日葵のような明るい笑顔で蓮が笑う。


「ほんと!?じゃ、学校終わったらクレープ屋に直行な!」


そう言って去っていった。