3年前のある昼休み──
「ねぇねぇ!優月(ゆづき)は誰が恰好いいと思うー?」
花怜が、今人気のアイドルが載っている雑誌を私の机の上に広げ、きらきらとした目で早く答えて欲しそうにこちらを見ている。
「あー。私そういうの興味ないんだよね。みんなワーキャー言って、恰好いいだのなんだの言ってるけど私には理解しかねる。」
「優月っていっつもこういうの興味ないよねー。」
「だってどこがいいか分かんないし。」
「まぁ優月の家族全員、美男美女だもんね。見慣れててわかんないか。」
お父さん、お母さん、そしてお兄ちゃん。
私がいうのも何だけど、うちの家族はみんな綺麗な顔をしている。