「ほんとに自分の気持ち分からないの?」
ほんとの気持ち…?
蓮は小さい頃からいつも当たり前のように私の隣にいた。
あの頃の蓮は、小さくて頼りなくて。
私が手伝ってあげなきゃ何もできなかった。
けれど、気付いたら身長は蓮のほうが高くなっていて。
私が持てない重い荷物だって軽々と持ち上げちゃって。
いつの間にか頼られる側から、頼る側になってたんだ。
そんな頼もしい蓮の姿に少しドキッとしてた。
でも、好きじゃない。って自分に言い聞かせて、意地張ってわざと気付かないようにしてきた。
あぁ。もう!かっこよくなりやがって。蓮のくせに。
私は蓮のこと…
「蓮のことが好きっ、なの…!」
涙が次から次へと溢れ、ボロボロとこぼれる。
そんな私の背中を花怜は優しく撫でてくれた。