…ここって。


「小さい頃いつも来てた広場だ。」


この広場は景色がよくて、街全体を見渡せる。


特に今日みたいによく晴れた日なんかは、空をオレンジ色に染める大きな太陽が沈むところが見れてとてもいい眺めだ。


「やっぱりこの広場からの眺めは絶景だねー。」


「なぁ、優月。」


「んー？なに？」


「俺、ずっとお前のことが好きだったんだけど…。だから、その、付き合ってくれねぇか。」


「またまたー。花怜もだけど、2人して私をからかってるんでしょ。」


「冗談、言ってるようにみえるか？」


蓮はいつものふざけた表情とはうって変わって、真剣な眼差しで優月を見つめている。


「それ、本気で言ってんの…？」


「嘘だったらこんな事言わない。」


本気、なんだ。


自分でも顔が赤くなっているのが分かる。


なんで私こんなにドキドキしてるの。


「…ごめん。一週間だけ時間ちょうだい。」


「わかった。じゃあ、一週間後の夕方18時半にまたここに来てくれ。もし、付き合えないって言われたら俺、優月のこときっぱり諦めるから。」


そう言って蓮は帰っていった。