「王子!!」

肩を捕まれ、ぐいっと体を引かれる。

怜は何かを言おうとしていたが、
私の表情を見ると悲しそうな顔をして口を閉じて、たったひとこと呟いた。


「泣くなよ」


「な、に言ってんの…泣いてなんか…」



私は強い、私は強い、私は―…


「だって私は王子だから―…強い、から」