『―って感じでさ、マジ無くねぇ?』

そう言ったのは、矢野くん。


『まぁ、それは仕方ないよ』

呆れたように返したのが前沢くん。



私達は教室に入るにも入れず、
その場で会話に耳を澄ました。


『つーかさ。王子いんじゃん?』