どうしよ…

まさか、ケガしたんじゃ…


「れ、怜…?」

「なに」


彼は右足に触れながらそっけなく答えた。


「あの、助けてくれて…ありがとう」

「ああ…別に」


階段横についていた手すりに掴まってなんとか立ち上がった怜は、右足を庇うようにして歩き初めてしまった。