職員室を出て階段を昇りながら心の中で悲鳴をあげた。


ちらりと隣を歩く怜を盗み見ると、
彼は苦しい顔1つせずにいつもと何ひとつ変わらない表情をしている。


「なに、王子」


ぴたりと足を止めて私の方をじっと見つめる。


「へぁっ!?いや、別になにも?」


突然話しかけられて変な声が出てしまい、
恥ずかしさのあまり体中が熱くなった。