「宏〜。お前まだ好きな人できないの〜?」


紙パックのコーヒー牛乳を
ちゅーちゅー吸いながら琢磨が言う。

「出来ない。んな簡単に普通好きな人はできねーだろっ。」


「そうかな〜?俺は電車の向かい側に可愛いお姉さんが乗ってたら直ぐ様好きになるね♪」


「それってただのチャラ男じゃん。(笑)」


「いやいや,れっきとした一目惚れでしょ♪」


「一目惚れねぇ〜…」


俺だってまぁ,可愛いなとか思う子はいるよ?


けど…一目惚れまではなぁ〜。


購買で買っておいたパンを食べようとしたその時…


「っておい!!お前なに人のパン食ってんだよ!」


「今俺カネないんだよぉ〜。今日だけおごって♪」


「可愛こぶっても無駄だ!俺だって金欠なんだよ!返せコノヤロ〜!!」


俺達がギャーギャー騒いでいると

「もう,うっさいなぁ〜!貸したげるから!」


――チャリン…

「「へ?」」



そこには美幸の姿が。


「美幸ちゃん!さすがだよぉ〜。もうコイツまじうるさくてさ…」


「なっ!琢磨が悪いんだろっ!!」


「もう!わかったからこれで買いに行ってきなよ。宏も騒ぎすぎ。」