「旨そうだな。…でも」


「うん?」


兄ちゃんは腕時計をチラッと見た。


「あんまり時間が無くてな。」


そっか…仕事忙しいんだ。


「また今度宏が作ってよ。」


「俺が!?冷凍でいいなら。」


なんてイタズラに笑うと
兄ちゃんも目尻を下げて笑った。

そして全体をぐるりと見渡すと


「そろそろ行くかな…」


と呟いた。